ひとつ戻る
#堺・高石・松原・和泉・河南町
小泉製作所

小泉製作所

株式会社小泉製作所

Koizumi MFG Co., Ltd.

所在地
大阪府堺市堺区鉄砲町18
TEL
072-229-2332
HP
https://koizumi-ss.co.jp/
駐車場予約

工場見学・ワークショップ

1933年創業。長年培ったパイプ加工・溶接・めっきの技術を活かし、試作から量産まで幅広く対応。ものづくりへの挑戦を続け、お客様とともに新しい価値を創造し、未来につながるものづくりを目指しています。

語り手
代表取締役 小泉 達哉
溶接職人 竹本 秀一

「できない」を「やってみる」に
高い技術と遊び心で溶接の可能性を広げる

溶接で社会の当たり前を変える

金属パイプを曲げ、溶接し、研磨やメッキなどの表面加工をするところまでを一貫して手がける小泉製作所。とりわけ難しいアルミやマグネシウムのパイプ加工・溶接を得意とし、試作から量産まで幅広く対応する。創業以来の2輪車のハンドルやフレームに加え、三代目社長・小泉達哉さんの代になって、ロボット、電動モビリティ(自動車・ゴルフカート・自転車・キックボードなど)、パワーアシストスーツ、ドローンや産業用ヘリコプターのフレームなど、ものづくりの領域を大きく広げてきた。

アルミは鉄よりも熱が伝わりやすく、溶接時の温度管理が難しい。熱のかけ方や溶接の順序を誤ると、割れや歪みが生じたり、必要な強度を保てなかったりする。素材の性質を見極めながら、熱の入り方と変形をコントロールする経験が求められる。パイプを立体的に曲げ、部材同士を精度よく組み合わせ、美しく強度のある状態に溶接するところに、小泉製作所が培ってきた技術がある。その高度な技術が、依頼主の想像を超えることがある。

あるパワースーツのフレーム開発では、強度を保つため厚みを持たせたフレームに、軽量化のための穴がいくつも開けられていた。「もっと軽く、もっと格好良くできる」。そう直感した小泉さんは、断面形状によって強度を高めたリブ付きパイプや、荷重のかかり方を踏まえた最適な形状への変更を提案した。完成したフレームは、驚くほど軽く、鮮やかな塗装で洗練されたデザインに生まれ変わった。

図面通りではなく、現場で見た感性を大事にする。打ち合わせ中に設計し、スピーディーに形にしてみせる。

「できない」を決めているのは自分

小泉さんが会社を継いだのは32歳のとき。父の急逝によって多額の借金と16人の社員を抱えた会社を引き継ぐことになった。「同じ境遇の人はきっといる。この経験は、いつか本に書こうと思いました」。「やったるで」と腹をくくり、葬儀の翌朝、社員の前で最初に口にしたのは「びっくりしたやろ。でも安心して。もう、みんなを幸せにする自信しかない」という言葉だった。

しかし、現実は甘くない。社長就任1年目、3か月連続で300万円ずつ赤字が積み上がる。多くの経営者なら一人で抱え込む数字を、小泉さんは社員全員にそのまま伝えた。「うちの会社、3か月で900万円の赤字です」。社員の顔色は変わった。それでも辞める者は一人もいなかった。「儲からない仕事はやめる。新しい仕事は僕が取ってくるから大丈夫。みんなは、お金を生み出す動きをしてください」。そう伝えると、翌月には黒字へ転換した。それ以来、会社は右肩上がりの成長を続けている。

原点となったのは、三菱重工から依頼されたパワーアシストスーツの開発だった。未経験の3次元図面と、複雑な形状のアルミフレームを前に、小泉さんは何度も「できない」と断ったが、先方の担当者も後に引けない状況だった。そんなある日、風呂場で加工方法の解決策がひらめいた。翌日には溶接組み立て治具を作り、社内でできない部品は全国の業者へ急ぎで加工を依頼した。わずか三日で完成させたときには涙が出たという。「できへんって決めてるのは、自分やなと」。この経験から生まれた「やってみる」の言葉は、小泉製作所の経営理念というよりも、会社の文化になっている。

ものづくりの熱を次の世代へ

小泉製作所には営業マンがいない。役職も部署の壁もない「オールフラット」の組織だ。現場に立つ職人がお客さんと直接話し、考え、一緒につくる。「だから、お客さんから『この人にお願いしたい』と思ってもらえる。ありがとうが直接届くから、現場もやりがいを持って頑張れるんです」。担当の枠もできるだけ設けない。メッキ担当の社員が最新の3Dスキャナーで測定したり、レーザーマーカーで刻印したり、Illustratorでデザインするなど、それぞれの得意を伸ばし、やりたいことは何でもできる環境をつくってきた。 

「ただくっつけばいいんじゃない。僕らがやっているのは“見せる溶接”なんです」と語る熟練の職人・竹本さん。溶接による変形を見越し、熱を加える位置や順序を調整しながら歪みを抑える技術と仕上がりへの美意識が、製品の完成度を高めている。その技術と遊び心から生まれたのが、ネジ部品や端材を使ったフィギュア「ネジやん」や「ちょい悪ダック」だ。子ども向けワークショップのための実験的な創作だが、異なる部品一つひとつの特徴を見極め、組み合わせて形にする発想力と溶接技術が詰まっている。その姿勢はワークショップに参加する子どもたちに対しても同じで、1人ひとりの個性をよく見ながら向き合う。ある年にお母さんの膝の上でボタンを押していた3歳の子が、翌年には自分の足で参加しにくる。「そういう思い出は、一生残ると思うんです。たぶん、それがすごく大事」と小泉さん。AIの時代になっても、ものづくりはなくならない。その仕事を目指す子どもが一人でも増えてほしいと願って、年間三十回を超える体験イベントを続ける。

その思いは、初年度から参加し、仲間たちとつくり上げてきたFactorISMにも重なる。「自分がやりたいことを人にもやってもらって、その感動がどう返ってくるのかを味わいたいんです」。その思いは今年のテーマ「響く」にも通じている。高度な溶接技術だけではなく、言葉が人を動かし、遊び心が挑戦を生み、その熱が仲間へ、地域へ、そして次の世代へと響いていく。「できない」を「やってみる」に変える。その一歩が、小泉製作所の成長を支え、ものづくりの可能性を広げる原動力になっている。


他の工場を見る

パートナー

Partners

応援パートナー

コラボレーションパートナー

メディアパートナー

クリエティブ監修

共催
みせるばやお/一般社団法人ベンチャー型事業承継/おふらぼ
後援
近畿経済産業局/近畿財務局/大阪府/大阪産業局/大阪観光局/八尾市/堺市/門真市/大東市/柏原市/松原市/高石市/名張市/四條畷市/名張商工会議所/大東市教育委員会/柏原市教育委員会/名張市教育委員会/四條畷市教育委員会/京阪ホールディングス
協力
堺商工会議所/堺市産業振興センター/南海電気鉄道株式会社