1996年創業。電子機器の中身、実は人の手で作られているものがたくさんあります。樋口電子は、そんな「機械では作れない部分」を担う高槻の工場。部品を一つひとつ手で取り付け、確かな品質で皆さんの生活を支えています。
どんなものをつくっていますか?

私たちが作っているのは、電子機器の中身である「電子基板」や「ハーネス(配線ケーブル)」です。産業機械や計測器、身近な家電の内部にも使われる部品を、職人が一つひとつ手作業で組み立てています。部品のはんだ付け、ケーブルの加工、組立から検品まで、約20種類の手加工に対応。大量生産には向かない少量・特注品や、機械では扱えない細かな作業こそ、樋口電子の得意分野です。
会社を一言で表すと?

樋口電子は「製造業を、手加工から作り直す会社」です。自動化が進む今も、モノづくりには人の手にしかできない仕事が残っています。しかし職人の高齢化や町工場の廃業で、その担い手は失われつつあります。私たちは電子基板の組立やはんだ付けといった手加工を、勘に頼らず誰もが担える仕事へと再設計。技術を次世代につなぎ、新たな製造インフラとなれるよう作り直すことに挑んでいます。
あなたのこうばが誇る、未来に響かせたい「ものづくりの強み(技術・職人技)」は何ですか?

私たちの強みは、機械と人の手の「最適な使い分け」です。FA技術やAIを積極的に活用し、任せられる工程は機械へ。それでも機械が届かない最後の一手は、日本人が古来磨いてきた、細部に心を込める手仕事が担います。指先に宿る繊細さと、道具を使いこなす知恵。効率の力と職人の技を掛け合わせ、日本のものづくりの魂を未来へ響かせる——それが樋口電子の挑戦です。
参加者の心にどんな「波紋(驚きや感動)」を広げたいですか?

「えっ、これ全部、人の手で?」——その驚きが最初の波紋です。ふだん目にする製品の中身が、職人の指先で一つひとつ生み出されていることを知ったとき、身の回りのモノの見え方が変わります。そして、はんだの光る一瞬に宿る集中と誇りに触れ、「働くってかっこいい」「自分もやってみたい」と感じてほしい。その小さな感動が、次の担い手を生み、日本のものづくりの未来へ広がっていくと信じています。
技術や想いを未来へ“波及”させるために、いま挑戦していること

職人の勘に頼ってきた手加工を、誰もが担える仕事へつくり変える挑戦をしています。手順書化や独自の認定制度で技を継承の仕組みに変え、職人の手の動きや判断はAIの教師データとして未来へ。人にもAIにも技を受け継ぎ、いつか世界中の手加工を日本が担える——そんな未来を本気で描いています。子どもたちに手仕事の楽しさを伝える教室も続けながら、技と想いを世代を超えて波及させていきます。